にいがた東区ゲンキ魂

産業の現場を見る東区社会科見学

北越紀州製紙株式会社 新潟工場

約61万7千平方メートル。東京ディズニーランドの約1.2倍の広さを誇る巨大製紙工場。

北越紀州製紙株式会社 洋紙事業本部 新潟工場
案内してくださったのは、光谷さん(左)と野中さん(右)。

案内してくださったのは、光谷さん(左)と野中さん(右)。

 まず、正門で受付をすませて、その後DVDとパンフレットを見ながら、北越紀州製紙 新潟工場の歴史と概要についてお話しいただきました。約61万7千平方メートル、東京ディズニーランドの約1.2倍の広大な敷地の中で、北越紀州製紙が誇る抄紙機(紙を抄く=紙をつくる・マシン)が8台、元気に稼働しています。今回は、2008年に運転開始した世界最大級の高速オールオンラインマシン・9号抄紙機(=N9)を見学しました。


世界最大級の高速オールオンラインマシン。その全貌を探る。

世界最大級の高速オールオンラインマシン (9号抄紙機=N9)

世界最大級の高速オールオンラインマシン
(9号抄紙機=N9)

 北越紀州製紙 新潟工場には8台もの抄紙機があり、さまざまな紙をつくっていますが、代表的なN9(機械全長223m)で紙をつくる工程を案内していただきました。N9は、2008年9月に営業運転を開始した最新鋭のマシンで、紙づくりと塗工、カレンダー加工を一体化した世界最大級の高品質高効率A3マシンです。
 工場事務所から、自動車で広い敷地内を北端まで5分程移動します。建物2階のドアを開けるとゴウゴウとマシン音が迫ってきました。そして、そこには、全長約223m、幅約10mの巨大なマシンが動いていました。


紙ができるまで(9号抄紙機)

ワイヤーパート
1ヘッドボックス

紙の原料となる漂白したパルプを水に入れてほぐし、ワイヤー(プラスチックの網)の上に薄く均一に吹き出します。N9では、上に向かって吹き出します。

2ワイヤー
s04

ワイヤーは高速で回転しており、パルプを脱水します(一次脱水)。ワイヤー2枚で上下に脱水するため、表・裏の無い紙に仕上がります。


 
プレスパート
3プレス

p05ロールと毛布で水分80%の紙を水分約50%まで絞ります(二次脱水)。


ドライヤーパート
4ドライヤー(加熱・乾燥)
s06

140度の蒸気で加熱した回転する円筒を紙に当て、乾燥させます。水分約50%の紙を徐々に約5%まで乾燥させます。


ロッドメタリングサイザー
s07

でんぷんなどの溶液を両面塗布します。


 
コーターパート
5コーター
s08

紙表面を緻密にして印刷再現性を向上させるため、カオリンや炭酸カルシウムを水に溶かし接着剤を調合した液体塗料を塗布します。


 
バリドゥエルコータ

N9の2つのコーターはそれぞれ表面・裏面塗工です。

4ドライヤー

前工程のコーターで塗布した液体塗料の水分を乾燥させます。

 
カレンダーパート
6ソフトカレンダー
s09

上下のロールで紙をつぶし、紙表面を紙種(マット紙・グロス紙)に応じた平滑度・光沢度に仕上げます。


 
リールパート
7リール(巻取)

p10でき上がった紙をジャンボロールに巻き取ります。まるで巨大なトイレットペーパーのようです。N9で巻き取られた紙は、幅が約9.8m、長さは約150km。これは、北陸自動車道新潟西インターから水上インターくらいの距離になります。


 
ワインダー
s11

紙を使いやすい長さと幅に小分けします。


自動包装
s12

紙は、さまざまなサイズの巻取製品として自動包装され、印刷や加工をするお客様(各印刷会社など)へ届けられます。


出荷
s13

仕上がった製品は、トラックやコンテナにつまれ、日本全国、さらには、アメリカ、オーストラリア、香港など、新潟東港から世界に向けて出荷されます。


ひとくちメモ

N9は、1分間に約1,600メートル、時速にして100キロ程度のスピードで動いています。漂白されたパルプから一気にロール製品にまで仕上げ、断裁・梱包までしてしまう最新鋭のフィンランド製のマシン。

象に群がる蟻のよう!?巨大フルオートマシンが最高品質の紙を生み出す。

s14

 漂白されたパルプが、精密に分散制御されたヘッドボックスからワイヤーの上に均一に噴出されます。回転するプラスチックのワイヤーパートで遠心脱水したあと、プレスパートで加圧して水を絞ります。さらにドライヤーパートでは、バイオマスボイラーから供給された蒸気の熱で乾燥させます。コーターパートで紙の表面に塗料を塗り、ソフトカレンダーでつやだしをして、さらにリールに巻き取ると幅約10mのジャンボロールができあがります。
 そして、注文通りのサイズに仕上げ、梱包しラベルを貼ります(工程の大部分は機械が行います)。スタッフの皆さんは別室の制御室にいて、時折機械のチェックにまわるだけ。全長約223mものマシンを納める巨大な工場内の移動には、自転車を使っていました。


ひとくちメモ

N9は、1日に約1,000トン、年間約35万トンの紙を生産。総工費約550億円。1年3ヶ月をかけて完成し、2008年9月から営業運転をしています。

環境に配慮したECFパルププラントから生まれるフレッシュパルプ。

s15

トラックで次々と運び込まれる木材チップは、チップヤードに貯蔵され、ベルトコンベヤで地上40メートルの浸透釜のてっぺんまで搬送され蒸解されます。


p14
1 蒸解工程
木材を細かくしたチップを、薬品で煮て木材繊維を取り出します。これがパルプです。
2 洗浄工程
パルプを洗浄し樹脂分を洗い落とします。洗い落とされた樹脂分は、回収されボイラーの燃料となり、抄紙機の乾燥や発電のエネルギー源として利用されます。
3 漂白工程
洗い終わったまだ木の色の残っているパルプを漂白して真っ白にします。北越紀州製紙では、ECF(無塩素)漂白を導入し、地球環境に優しいエコパルプを実現しました。

パルプ製造時に取り出した樹脂分を再利用。バイオマスボイラー

p15

パルプ洗浄工程で取り出された樹脂分は黒液としてバイオマスボイラーの燃料となります。ボイラーから生まれた蒸気は、紙の乾燥工程や発電に利用されます。新潟工場では、工場操業に必要な電力の約80%はこの自家発電でまかなわれています。

 

地球にやさしい紙づくりを目指し、植林木を原料として、ECFパルプをつくっています。

 北越紀州製紙では、森林育成の観点から、計画的な植林〜育成〜伐採〜植林のサイクルが定着しているチリや南アフリカなどの植林木を原料に、環境への負荷を低減するECF(無塩素漂白)パルプをつくっています。新潟工場で生産したECFパルプは、北越紀州製紙の全工場で使用しています。

ひとくちメモ

北越紀州製紙株式会社 新潟工場は、1914(大正3)年に北越板紙として設立。以後、パルプ工場との統合、抄紙機の増設、技術革新を重ね、さらに、環境保全や地域貢献などに取り組み、現在に至っています。

 

photo2
北越紀州製紙株式会社 新潟工場
住所:新潟県新潟市東区榎町57 〒950-0881
電話(代):025-273-1141 FAX:025-271-1796
ホームページ:http://www.hokuetsu-kishu.jp/
見学を終えて・・・

 世界最大級の高性能マシンを持ち、周辺環境にも地球環境にも配慮した 生産体制を築き上げ、日本だけでなく世界に「紙」を届けている北越紀州製紙の新潟工場。世界を視野に入れた真のグローバル企業がこの東区 にあったなんて、ちょっと自慢ですよね。それにしても、東京ディズニーランドの約1.2倍という敷地の広さにはびっくりしました。N9の近くには、工場に囲まれるようにして一般道路や民家、神社までありました。

 

アクセスマップ

更新日:2012年5月9日